宗教や宗派によって葬式の内容は変わる?主な違いについて
葬儀の内容は、宗教や宗派によっても大きく違うということは、みなさんご存知のことかと思います。では、各宗教によって、葬儀はどのように変わってくるのでしょうか。参列して失敗しないために、主な違いについてくわしくチェックしてみます。
日本では最も一般的で身近な葬儀は、仏式です。仏式とひとくちにいっても、宗派は13宗56派あるといわれており、少しずつ作法は異なってきます。
共通しているのは、遺体の安置場所での枕経、通夜式と告別式で僧侶の読経と参列者の焼香、その後火葬を行うという葬儀の流れです。葬儀の内容も、さほど違いはありません。
葬儀では喪服を着用して、きらびやかなアクセサリーやバッグは避けるのがマナーです。数珠はどの宗派にでも適応している、略式数珠を持っていると便利です。
通夜式や告別式で行われる焼香は、宗派によって回数に違いがあります。真言宗と臨済宗、天台宗と日蓮宗、浄土宗は3回となています。他にも曹洞宗では2回で浄土真宗と本願寺派は1回、大谷派は2回です。
参列者が多い場合は、どの宗教でも1回焼香で省略することが多いようです。仏式の中で特徴があるのは、浄土真宗で成仏を祈るという概念がありません。そのため香典も御霊前とは書かず、御仏前と書くのが他の仏式とは大きく違う点です。
神式の葬儀は枕直しの儀を行い、通夜祭、遷霊祭、葬場祭、火葬祭、埋蔵祭、帰家祭の順で行われます。仏式の通夜になるのが通夜祭で、告別式が葬場祭です。
焼香とされるものとして神式では玉串奉奠が行われ、通夜式や葬場祭、火葬祭も玉串を奉って拝礼をします。神式の葬儀に参列する場合は、覚えて行くとよいでしょう。
喪服は仏式と同じく黒で統一して、数珠は使いません。香典の表書きは、御玉串料や御霊前と書きます。キリスト教のカトリックの葬儀は、故人の通っていた教会で行われるのが一般的です。
葬儀では、神父からの言葉の典礼と遺族による感謝の典礼が行われます。告別式では、全員の聖歌斉唱の後、献花を行います。プロテスタントは葬儀と告別式を一緒に行い、牧師の聖書朗読と祈祷、説教の後に全員で黙祷をして、賛美歌斉唱と献花が行われます。
聖歌や賛美歌は、必ず歌わなければならないというわけではありません。香典の代わりに、白無地封筒に献花料と書いて渡します。
このように、宗教や宗派によって葬儀の内容は大きく違っています。だいたいの流れとマナーを把握しておくと、当日あわてることなくお別れができるでしょう。