故人の尊厳を守るために行われるエンゼルケアの費用について
故人の尊厳を守るために、エンゼルケアをすることは一般的になってきています。いったい何のために行い、どんな意味があるのでしょうか。またエンゼルケアをしてもらうと、料金はどれくらいかかるのでしょうか。
エンゼルケアとは、亡くなった人の死後の処理や死化粧などをして、外見を整えるケアのことをいいます。逝去ケアとも呼ばれていて、病院で亡くなった場合は病院で行われ、葬儀社に依頼する湯灌もエンゼルケアになります。
病院で行われるエンゼルケアでは闘病中の治療でできた傷などの手当をし、体を清めて髪を整えて爪を切り、耳や口などに脱脂綿やジェルを施してくれます。その後、清潔な浴衣などに着替え、死化粧までしてくれる病院もあります。
看護師さんのみで行う場合もあれば、遺族の希望があれば一緒にエンゼルケアできる病院もあります。自宅で亡くなった場合は、死亡確認の医師と一緒に来た看護師さん、もしくは葬儀社の人が施すのが一般的です。
エンゼルケアを施す意味は、故人の外見を美しく整えることで尊厳を守ることにあります。闘病中は寝たきりで入浴ができなかったり、容姿も元気な頃とは違っていたりします。
事故などで遺体の損傷がある場合も、できる限りのケアをしてくれます。亡くなった人の代わりに身なりを整える気持ちで、エンゼルケアは行われるといわれています。
またエンンゼルケアをすることによって、感染症を予防するという意味もあります。死後の遺体に接する遺族や葬儀社などの安全のためにも、エンゼルケアはとても大切なことです。ですからきちんと知識のある看護師さんや葬儀社の人に、施してもらうのが良いでしょう。
気になるエンゼルケアの料金ですが、病院によって請求額はまちまちです。最低限のエンゼルケアならば、無料〜5千円で行ってくれる病院もあります。着替えや死化粧までやってもらうと1万円〜5万円というのが平均的な料金のようです。
病院でのエンゼルケアが一般になってきているため、葬儀の前に行う湯灌は葬式費用ではオプションになっています。湯灌は自宅で行う場合と、会館の湯灌室で行う場合があります。
料金は5万円〜10万円となりますが、専用の浴槽できれいにしてもらえるため、きれいな体で生まれ変われるといわれています。映画にもなったため、最近はまた利用する人が増えているようです。
告別式では棺の窓を開けて、故人と最期のお別れをします。自然な微笑みをたたえたような死化粧を施すエンゼルケアは、送る側の気持ちにもよりそったケアだといえるでしょう。
